ニキ・ド・サンファル展2015年10月29日 23:09

具体展以来の国立新美術館、 ニキ・ド・サンファルに惹かれて来た。
その過激さに身構え心構えしてはいたつもりだがいきなりの激しい銃声の洗礼はショックだった。
射撃シリーズの作品を目前にすると、彼女の自虐性の深さが重苦しく迫ってくる。
それは少女期の傷の深さのビジュアル化されたものだからだと思う。
そして女性という性の追求に向かって行く。
「白の出産」の生々しさにドキッとさせられるが、その表情は解脱したような気高ささえ湛えている。
自己の中の<牝性>を正面きって直視し、そのモンスターを外に放出していくそのエネルギーの凄さに只々圧倒される。
野に放たれたモンスターは原始の女神のように凶暴な暖かさで人の心を包む。

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